TokoTokoChihoChiho’s diary

短歌と短文、たまに長文、書いてます。

あのころの娘に逢えたなら

娘を作業所の送迎場所まで送っての帰り道、3歳くらいの女の子が、父親らしき人と手を繋いで歩いていた。運転しながらチラッと見ただけだが、大人のロングコートを模したオシャレなコートを着た、いわさきちひろさんの絵のような女の子。 ああ、かわいい、と…

なんだかすごいね、と思った歌。

穂村弘さんには二度お会いしたことがある。 一度目は、歌人集会?だったかな、の講演。 二度目は、2018年の与謝野晶子短歌大会。その歌会で偶然、穂村さんのクラスになった。ふわっとして、なんだかとても感じのよいひとだと思った。穂村さんはもうお忘れだ…

最後まで聞いてほしかったこと。

娘には、いろいろ不思議なところがある。食卓に鉛筆やノートなどを並べることが多いが、食事の前に、片付けてというと、素直に片付けてくれる。でも、ウサギだけは残る( ̄▽ ̄;)。いつも食卓にある。なんなの、いったい。その不思議な娘が久しぶりにやらかし…

小学校での思い出を語る。

突然の機会を得て、地元の小学校の4年生たちに、障害のことについて話をした。 娘が支援学級でお世話になった小学校だったので、そのころの体験談がよいだろうと思って、2年生のころの話を数分間。 娘は支援学級に属していたが、原学級制度??があって、普…

歌集を上梓しました。

先月、第二歌集を上梓しました。 第一歌集は、支援学校の先生や保護者の方たちに読んでいただけたらと思い、娘の歌を中心に纏めたものです。後半に自分の職業詠が入ったのは、前半部分だけでは歌が少なく歌集の体をなさない・・・と思ったからで、あくまでも…

謹賀新年

また、更新できない日々が続いて、はたと気が付けば6か月ぶり。 歳を重ねるにしたがって、「光陰矢の如し」が加速します。科学的には、歳をとると細胞の交代が遅くなるから?? (成長期で)細胞の交代が早い子供の頃の身体が覚えていた時間の感覚に反比例して…

安牌

また、3か月も放置してしまいました。 いいわけになりますが、ぼちぼち、いろいろ纏めています。 そして、纏める時間を取ることが難儀なほど、娘に難儀していました。 問題行動です。 作業所を首になるかもしれない(たぶん私の被害妄想ですが)と、自分自身…

ひもじい時代

食べられる葉とそうでない葉を知っている母にはひもじい時代があった(拙歌) 私の母は今年90歳。 疎開経験があります。学童疎開ではなくて、親戚の家でお世話になったそうです。 学童疎開でとんでもなく酷い目にあったという話は耳にしましたが、大阪の両親…

長らくのご無沙汰。。。

放置するつもりはないのですが、ふと、気が付くと何か月も書いていない、という始末。自分はいったい何をしているのだろう・・・ 時間がない・・・なんていうと、ほんとに時間がない、寝る時間もないかたたちに申し訳ない。時間があるのに、上手く使えていな…

田村 元歌集『昼の月』より

角瓶をボトルキープの眠りから起こす 氷がぴきぴきと言ふ はぐれ刑事の藤田まことがスナックに寄るころ祖父も飲み始めたり 週五日はたらき四日酒を飲み炭酸泉にしづむ週末 居酒屋に行けない日々はのつぺらぼう仕事に区切りがなかなか付かず いつものように自…

グリグリの思い出

クリとグリ、ではなく、グリグリです。 ワクチン接種二回目、を甘く見ていました。一度目が大したことなかったので、二度目も微熱くらいでは、という根拠のない自信を持っていたのです。 でも、とんでもなかった! 最高38.8度。翌日と翌々日。次の朝はスッキ…

歌は、読んだひとのもの?とはいうものの。

歌は、詠み手のものではなく、読んだひとのものになるという。拙歌集については、「読んでいると辛くなった」とか、「胸が苦しくて読んでいられない」という感想が多い。どのような感想をいただいても、なるほど、そういう受け取り方もあるのかと思うべきな…

wordcrossroad.sakura.ne.jp ↑うるうるしながら微笑んでしまうような詩、です。 **************** 先日ある利用者さんが微笑んでくださった。ほかの職員に笑顔を見せることはあったけれど、私に対しては初めてだった。いつもは無関心かそれ…

さて、、、「短歌の時間」が始まります。

ついに、職場の所属班の予定表に「短歌」の二文字が。。。。 今月なかばから、 利用者のみなさんと、歌を詠もう!という取り組みが始まります。 一回の取り組み時間は30-40分なので、てきぱきと進めなくてはなりません。言葉の理解度も様々、言葉を理解して…

青いな(;'∀')

短編ひとつアップに続いて、古いファイルを見てみましたが、どれを読んでも「青いな!」とただただ恥ずかしくなり、アップは止めました。 それよりも、ここ数年の短歌を整理しなくてはいけないのだ! というわけで、小説よりも短歌、です。 そうなんです。あ…

どんなものにでも(原題:心から心へ)

カルチャーラジオ「文学の世界」(3月18日放送)で拙歌集をご紹介くださって以後、さまざまな反響があり、その中に、「娘さんが幼い時から(あなたは)歌を詠んでおられたのですか」というお尋ねがありました。 残念ながら、歌を詠むようになったのは、娘が1…

カルチャーラジオ「文学の世界」いま、心に響く歌の力「自分のためだけでなく(2)」

奇跡というのか、めったにない幸運というべきか、拙歌集「豊かに生きよ」がNHKラジオ第2放送のカルチャーラジオ「文学の世界」いま、心に響く歌の力「自分のためだけでなく(2)」で紹介された。 今野寿美先生の語りが素晴らしくて、自らの無意識まで掘り…

りとむ 2021.3月号より  熊のおなか

イシカワで撃たれた熊のおなかには柿、マテバシイ秋がいっぱい きいろ熊にあか熊白熊あまたなる落ち葉のかたちに散って重なる 北川美江子 りとむ「今月の十首詠」に選ばれた作品から二首。 これは・・・と思う歌に出会うと、急にこみあげてくるものがある。…

26年前の1月17日

娘の発達が遅れていることに不安を抱えながら、幼稚園の面接を迎えるその日だった。暗闇の中で、激しい縦横の揺れに驚きながら、なんなのこれは!と叫びながら娘を抱えているのが精いっぱいだった。千里は震度5強くらいだったにもかかわらず、のちの北摂地…

松村由利子氏講座 2020.11.22

科学をうたうー暮らしの中にも不思議は満ちて- | 福岡教室 | 朝日カルチャーセンター (asahiculture.jp) 昨日オンラインにて受講させていただいた。 遠方からでもオンラインで受講できるのはありがたい。 その間、娘はヘルパーさんとちょっと公園へ。 日常…

歌誌りとむ 2020年11月号から

2年ほど前から「りとむ」の会員にしていただいた。 楽しいことばかりとは言えない日々を過ごしているが、休日のひとときを歌詠みの時間とすることで救われている。心が喜びで満ちてくる。 今日は定休日なので、りとむを開いて会員の歌に目を通していた。とて…

パンケーキには蜂蜜を

www.hosei.ac.jp ちょっと探してみたけど、当該教授が在籍する立命館はこういうメッセージをまだ出してないようです。 なんだか、がっかりー。 平和と民主主ぎ~を標榜していたのはいつのころまでだったのか。 今回のような事態にどのように相対するのかで、…

近くのお城のお姫様

bunka.nii.ac.jp 足利義輝が気になって系図や史料を見ているうちに南北朝まで遡って、なぜか新田義貞と勾当内侍に辿り着いてしまった。すると、な、なんと、母方の故郷にある杣山という地名が出てくるではないか。ここでふと思い出したのが、母の昔語り。「…

近藤かすみ歌集『花折断層』より

たくさんよい歌があれるけど、良し悪しではなく、この場所はかつて私のテリトリーだった!ということで、《百万遍》と題された一連から。 バスに乗り百万遍に来てみればあはれパチンコ〈モナコ〉はあらず 角店のレブン書房に購ひし『マノン・レスコー』岩波…

三枝昂之歌集『遅速あり』より

壮大な歌集だった。人生が凝縮されているように思われた。大歌人や俳人をテーマに詠まれたものもあった。未曾有の災害や歴史的な出来事に関わる歌もあった。よって、いつものように、歌集の評は書きません。数首選んで、わたくしごと関連を書きます。 遠き世…

高木佳子歌集『玄牝』より

水搔きを持たざるゆゑに人間はもがきてけふを掴めずにゐる みづからもパノプティコンの中にゐて歩みてゐるを知らぬ稚さ 紙白く桃を包めばつつまれて桃はこの世にあらざるごとし 高木佳子 そこには透徹した眼差しがある。「共感します」などとは軽々しくいえ…

江戸雪歌集『空白』 より

黙るしかない日の雲の白ふかく世界が重いノートになって ミツマタが枝をひろげているところ汚名はまたも立ち上がりくる 江戸 雪 上記の二首。まさにこういう思いを抱いたことがあったが、、、 わたしが詠むとどろどろした歌になるだろう(-_-;)。 *****…

仕事に少し慣れました。

ブログを約3か月放置してしまいました。 いいわけですが、新しい仕事を覚えるので精一杯でした。 コロナ禍の間も、障害者施設に休みなし。 心の内では、かなり緊張しながら、 できる限りの対策をして、仕事を続けていました。 利用者さんと離れて支援するな…

4月18日 曇りまれに少雨

朝、目が覚めて、普通に息をしていること。 そのまま起きられること、動けること。 家族がそこそこ元気であること。 周りがほどよく静かであること。 小鳥が鳴いていること。 明日開きそうな花があること。 これらを、 これほど有難いと思ったことは、今まで…

林 充美歌集『樹雨のパラソル』-歌と歩く365日ーより

3月11日 ただ一度旅せし北の国の海、のどかなりけりカモメ遊ばせ 3月12日 たぶんおまへのゐること忘れ逃げるだらう いざその時の「いざ」が来たれば 林 充美 2019年(平成30年)の一年間を綴った歌集である。 テンポが良く、作者の様々な表情や思いが感じら…