TokoTokoChihoChiho’s diary

短歌と短文、たまに長文、書いてます。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

歌集『風のおとうと』(松村正直)より

一つ一つは小さき花のさるすべり吹かれるままに坂をころがる ねえ阿修羅まだ見ぬひとに伝えてよ今日ここにいた私のことを 喪主である母を支えてたつ兄を見ており風のおとうととして 松村正直 ふともれたつぶやきの中に「存在」の深みを思わせる・・・などと…

歌集『わたしも森の末端である』(松山紀子)より

かりそめに古語を使ひて歌らしく見せてゐる「それ、なんかずるくね?」 「もう終り」嫌な言葉と思ふなり近所の梅の事だとしても 「お疲れ様」「おやすみなさい」「また明日」夢の中では仕事はしない 「雪の日はどうするんだ」と坂下るあなたは雪国生まれであ…