歌誌りとむ 2020年11月号から
2年ほど前から「りとむ」の会員にしていただいた。
楽しいことばかりとは言えない日々を過ごしているが、休日のひとときを歌詠みの時間とすることで救われている。心が喜びで満ちてくる。
今日は定休日なので、りとむを開いて会員の歌に目を通していた。とても心惹かれる歌があった。
「翳りのベール」 堀内初子 より
おきまりの紺ブレひつつめすつぴんに翳りのベールまとふ村木氏
忖度はもう沢山とEテレに物言ひ冷めたる元事務次官
釈放の日の胸中に叫びけん 私は勝つた 組織の力に
☆地続きに生きゐるあなたの真つ直ぐをぶれない姿勢をいただきませう
組織の力で無実の罪に陥れられて、それでも一貫して無実だと叫ぶことがどれほど難しいか、私には想像だにできない。その闘いに勝ったひとりの女性と、私たちは地続きで、同じ時代を生きている。そのことを、誇りにも力にもして、横柄と忖度と偽造と詐欺と弾圧などが、公然とまかりとおる「今」を、あきらめないで前に進まないといけない。翳りのベールを振り払って。