TokoTokoChihoChiho’s diary

短歌と短文、たまに長文、書いてます。

26年前の1月17日

娘の発達が遅れていることに不安を抱えながら、幼稚園の面接を迎えるその日だった。暗闇の中で、激しい縦横の揺れに驚きながら、なんなのこれは!と叫びながら娘を抱えているのが精いっぱいだった。千里は震度5強くらいだったにもかかわらず、のちの北摂地震より何倍もの恐怖感に襲われたように思う。当然、面接は中止。その日は家の片づけに追われた。

数日後、神戸の灘にいた友人が命からがら箕面の某社社宅に避難してきたことを知り、お茶碗やお皿を持って会いに行った。それくらいのことしかできなかったのだけど、家族中で喜んでくれた。あっ!という間に家じゅうのものがとび上がったりひっくり返ったりして壊れたという。無事であったことが奇跡だと呟いた。

あれから26年、しばらく会ってないけど、元気でいるだろうか。すぐ忘れてしまうけれど、生きていること、それが奇跡だ。「使命」という言葉、堅苦しくて、なにか大げさであまり好きではないけれど、残された私たちは、生きていることで、それだけで「使命」を果たしていると思う。思いを残して逝かれたひとたちのことを思い出して、(大げさではなく)生かされているかぎり、生きることを全うしよう。