TokoTokoChihoChiho’s diary

短歌と短文、たまに長文、書いてます。

2021-01-01から1年間の記事一覧

田村 元歌集『昼の月』より

角瓶をボトルキープの眠りから起こす 氷がぴきぴきと言ふ はぐれ刑事の藤田まことがスナックに寄るころ祖父も飲み始めたり 週五日はたらき四日酒を飲み炭酸泉にしづむ週末 居酒屋に行けない日々はのつぺらぼう仕事に区切りがなかなか付かず いつものように自…

グリグリの思い出

クリとグリ、ではなく、グリグリです。 ワクチン接種二回目、を甘く見ていました。一度目が大したことなかったので、二度目も微熱くらいでは、という根拠のない自信を持っていたのです。 でも、とんでもなかった! 最高38.8度。翌日と翌々日。次の朝はスッキ…

歌は、読んだひとのもの?とはいうものの。

歌は、詠み手のものではなく、読んだひとのものになるという。拙歌集については、「読んでいると辛くなった」とか、「胸が苦しくて読んでいられない」という感想が多い。どのような感想をいただいても、なるほど、そういう受け取り方もあるのかと思うべきな…

wordcrossroad.sakura.ne.jp ↑うるうるしながら微笑んでしまうような詩、です。 **************** 先日ある利用者さんが微笑んでくださった。ほかの職員に笑顔を見せることはあったけれど、私に対しては初めてだった。いつもは無関心かそれ…

さて、、、「短歌の時間」が始まります。

ついに、職場の所属班の予定表に「短歌」の二文字が。。。。 今月なかばから、 利用者のみなさんと、歌を詠もう!という取り組みが始まります。 一回の取り組み時間は30-40分なので、てきぱきと進めなくてはなりません。言葉の理解度も様々、言葉を理解して…

青いな(;'∀')

短編ひとつアップに続いて、古いファイルを見てみましたが、どれを読んでも「青いな!」とただただ恥ずかしくなり、アップは止めました。 それよりも、ここ数年の短歌を整理しなくてはいけないのだ! というわけで、小説よりも短歌、です。 そうなんです。あ…

どんなものにでも(原題:心から心へ)

カルチャーラジオ「文学の世界」(3月18日放送)で拙歌集をご紹介くださって以後、さまざまな反響があり、その中に、「娘さんが幼い時から(あなたは)歌を詠んでおられたのですか」というお尋ねがありました。 残念ながら、歌を詠むようになったのは、娘が1…

カルチャーラジオ「文学の世界」いま、心に響く歌の力「自分のためだけでなく(2)」

奇跡というのか、めったにない幸運というべきか、拙歌集「豊かに生きよ」がNHKラジオ第2放送のカルチャーラジオ「文学の世界」いま、心に響く歌の力「自分のためだけでなく(2)」で紹介された。 今野寿美先生の語りが素晴らしくて、自らの無意識まで掘り…

りとむ 2021.3月号より  熊のおなか

イシカワで撃たれた熊のおなかには柿、マテバシイ秋がいっぱい きいろ熊にあか熊白熊あまたなる落ち葉のかたちに散って重なる 北川美江子 りとむ「今月の十首詠」に選ばれた作品から二首。 これは・・・と思う歌に出会うと、急にこみあげてくるものがある。…

26年前の1月17日

娘の発達が遅れていることに不安を抱えながら、幼稚園の面接を迎えるその日だった。暗闇の中で、激しい縦横の揺れに驚きながら、なんなのこれは!と叫びながら娘を抱えているのが精いっぱいだった。千里は震度5強くらいだったにもかかわらず、のちの北摂地…