TokoTokoChihoChiho’s diary

短歌と短文、たまに長文、書いてます。

引っ越し(1)(以前のブログから移動)

この戦争の本来をいつどこで知る 犬ころのようにかけて万歳
                  金子きみ (歌集『草の分際』より)
 
 
 

勉強を兼ねて、気になる歌を挙げていこうと思ったのだけど、さて、最初はどなたのにするのか、というところでちょっと迷った。

 
全くお会いしたこともなく、何の関連もないけれど、常に心にある人の歌にした。
 
 
取りあげたい歌人は?や、心に残る歌は?というアンケートや意見を求めるハガキが来て、二度三度挙げたことがあるけれど、取り上げられたことはない。
一般受けしないのかん。それとも、今の情勢に忖度しているのかもしれないな、なんて最近思う。
 
あのころに戻そうとしている人、それを応援する人、が、たくさんいて、異議を唱えると炎上するような時代だ。
 
今動いている流れがどういう結果を招くのか、誰も知らない。
知りたくないのかもしれない。
子どもたちが無邪気に、犬ころのようにかけて万歳、していたころと何が違うというのだろう。
 
 
草いとしくてならぬ やがて秋草のその中に産み落とすいのち
この年に生まれし児よと 児をゆすり起こして聞く宣戦布告
                            (金子きみ)