TokoTokoChihoChiho’s diary

短歌と短文、たまに長文、書いてます。

引っ越し(7)(以前のブログから移動)

月 木々が枝さしかわしあたためるたったひとつのたまごのように

              佐藤弓生(『モーヴ色のあめふる』より)
 
ブログでは横書きしかできないが、これは縦書きで鑑賞したい歌。縦書きだと、一首そのものが絵のように見える。漢字はすぐれた象形文字だなあとあらためて思った。
 
 
我が家のベランダからは万博公園の木々が見える。
月はそこから上ってくる。
林が輝きはじめると、月は枝にささえられながらその姿を現す。
少しずつ、枝をつたって上へ上へ。
 
やがて支えは要らなくなってその身ひとつで浮かんでしまう。
浮かんで動いて動き疲れて沈むのだろうか。
お疲れ様。また会いましょう。