引っ越し(6)(以前のブログから移動)
夕暮れの空につばさの烈しさの限界みせよ鳥であるなら
江戸雪(『昼の夢の終わり』より)
限界だー!と叫ぶことしばしば。
でも、叫んでいるあいだはまだ限界ではないのだろう。
叫ぶことすらできなくなったときは、地に臥すか、天を仰ぐか、だが、どうせなら天を仰ぐことにしよう。
そこに力強くゆく野生を見れば、羽ばたこうとする心が蘇るかもしれない。
野生の鳥の心で、大地を踏みしめていたい。
追記*****
とはいうものの、
夕暮れの鳥は疲れている。
仕事を辞めてからしばらく、窓際までくる雀を観て過ごしていたら、
食べ物を探して、少し休んで、また探して、必死で生きているようだった。
日暮れ間際まで食べ物を探して、
日が落ちる少しまえに慌てて何処かへ帰っていった。
ほとんど一日中食べ物を探しているから、夕暮れは一番疲れている。
疲れのピークに、羽ばたいて帰って行くのだ。
帰りついたら、たぶん死んだように眠って、
夜明けとともに生き返り、また食べ物を探す。
その繰り返しだ。
生きてゆくことは、単調で、厳しい。
空を飛ぶことができても、できなくても。